フィルムカメラを始めるにあたって最初からお金を掛けるのは嫌なので、ヤフオクやメルカリで安いやつを試してみようという方は多いと思います。
本当に安いカメラなら1000円くらいで売っているものもありますし、レンズとセットでも2000~3000円くらいで買える事もあります。
ただ、ヤフオクやメルカリというのは基本個人売買ですから、場合によってはハズレを「つかまされる」可能性もあります。
これは出品者が確信犯で粗悪なものを出しているという意味ではなく、出品者自身がカメラに詳しい訳ではないので、普通に使うのに最低限これだけはチェックして欲しい事も明記されておらず、それをそのまま購入してしまった為に起こってしまいます。
そこで今回はヤフオクやメルカリでフィルムカメラを購入する際の注意点についてお話していこうと思います。
目次
カメラの注意点
カメラに関してはまず写真で汚れや痛み等の見た目を確認します。(たまに「これはちょっと…」というくらいに汚いものがあります。)
その上で
1.シャッターがちゃんと切れるか?
2.モルトの状態はどうか?
2.モルトの状態はどうか?
シャッター
カメラの修理屋さん等ではシャッタースピードをきちんと計測する機械があります。上のカメラは僕が愛用している「minolta XD-S」で、ちゃんとしたカメラ屋さんで購入したのですが、別の修理屋さんに持っていったら1000分の1のシャッタースピードが1400分の1くらいで切れていると言われました。
大抵のフィルムカメラは大幅にしろ誤差にしろシャッターが狂っているものです。
さすがに専門的な機械で計測しろとまでは言いませんが、最低限各シャッターがちゃんと切れているか、その確認くらいはしてほしいものです。(シャッターは電気の不通等で壊れやすいです。)
普通に押せば1000分の1秒と1秒はかなり違いますが、「同じスピードで切れているっぽい」くらいの違いが解る人、その重要性を理解している方から買いたいものです。
それに関して何の明記も無く「状態は写真で見たものが全てです」等と書かれている場合はいくら安くても避けた方が無難だと言えます。
モルト
モルトとは、カメラをパカっと開けた所の溝の部分や前面の部分に付けるスポンジみたいなもので、外部の光を遮断する役割を持っています。
このモルトが劣化しているとカメラ内に光が入り、写真に赤いものが写ってしまいます。
こういうのを「光線引き(こうせんびき)」と言い、たまに光線引きのカッコイイ写真も見かけますが基本は無い方が絶対に良いです。
発売から何十年も経っているカメラも多いですから、まず劣化していると考えた方が間違いなく、劣化したモルトを交換してもらうにも8000円~掛かります。(ちなみに自分で交換する事も可能です)
このモルトに関しては「モルト」の存在を知らない方も多く、ほとんどの方がモルトに関して明記をしていません。
「モルト交換済」等の明記があればそれを選んだ方が良いでしょう。
レンズの注意点
レンズも外観のダメージを写真で確認した上で、
1.キズ
2.チリ
3.カビ
4.クモリ
5.バルサム切れ
2.チリ
3.カビ
4.クモリ
5.バルサム切れ
1.キズ
ここで言うキズとは、ぶつけたりして外観に出来たキズの事ではなくて、レンズに付いてしまったキズの事です。↑のレンズの写真にもキズが付いています。
2.チリ
「塵も積もれば山となる」の塵(チリ)の事で、全くチリが無いというのはあり得ませんがキャップもせずずっと放り出していたりするともの凄い事になります。レンズはかなり密封されているように思いますが、チリ等の大きさのものだと意外に入り込んでしまいます。
僕は昔ダニが入っているレンズをつかまされた事があります。(ファインダーを覗いたら何やら動くものが…。あれは本当に萎えます。。)
3.カビ
無機体のものにカビが生えるのがビックリですが、カビも生えます。とは言え、レンズ全体がカビカビになる訳ではなく、レンズを覗いたら見えるくらいのものです。
チリに関しては業者に頼んで完全除去もできますが、カビに関しては難しいみたいです。
そして繁殖もするので近くに別のレンズ等を一緒に置いておくと、周辺のレンズにも被害が及びます。
ですので湿気の少ない所で保管するのが重要になります。
4.クモリ
レンズはガラスですから、長い事時間が経つとクモリが生じてきます。これは結構写真の影響も受けやすいので、「クモリ有り」等の明記があれば避けたほうが無難です。(少しくらいならさほど影響はありません。)
バルサム切れ
レンズと言うのは1枚に見えて実は何枚ものレンズが重なり合って出来ています。そのレンズとレンズを接着する為に使われていたのが「カナダバルサム」という樹脂でした。
近年のレンズはもっと性能の良い接着剤を使っていますが、いわゆるオールドレンズと呼ばれるレンズにはこのバルサムが使用されているものが多いです。
この接着が経年により剥がれてくる状態の事をバルサム切れと言います。
軽度のものなら端っこの部分がちょっとだけ剥がれているくらいですが、重度のものになると使い物にならないくらいの剥がれが見られ、当然写真にもモロ悪影響が出てきます。
それぞれ、写真にどれくらいの影響が出るの?
まず「1.キズ」と「2.チリ」に関しては少しくらいなら写真に影響はありません。現に上の写真のキズの付いたレンズでも問題なく撮る事が出来ます。
キズの付いたレンズで撮った写真です↑
「3.カビ」に関しても少しくらいなら大丈夫との事ですが、カメラや他のレンズ等に繁殖する恐れもあるので保管に気を付ける必要が出てきます。
そして何よりもカビが生えているというだけで、あまり気持ちの良いものではありません。
「4.クモリ」「5.バルサム切れ」に関しては避けた方が無難です。
多少なら大丈夫と言われていますが、やはり写真写りの影響は大きいです。
まとめ:きちんと明記し、症状の写真を正直に載せている出品者を選ぶ
これらの症状はレンズを明るい所にかざして覗くと解るので、そういう写真をきちんと載せている出品者から購入する事をオススメします。そうでない場合は、知識が無いか確信犯で隠している悪い出品者の可能性があるので、購入しないほうが無難と言えます。
現に僕もヤフオク等で買う時はハズレをつかまされるのを覚悟で、安いものしか購入しません。(5000円以内)
やはり一番良いのはお店で直接品物を見て、店員さんと色々やり取りしながら購入するのが一番です。
安かろう悪かろうではありませんが、 ハズレをつかまされ修理に出す費用を考えると結局その方が安い買い物だと言えます。