フィルムというのは最初、↑のように先端部がちょっと出ています。





しかし、何か「やらかしてしまった」時にフィルムが中に入って万事休すになる事があります。

安めのフィルムならまだ諦めもつくのですが、これが高価なフィルムだと涙が止まりません。

恐らくフィルムをカメラにセットする時に間違ったやり方でセットしているか、何気にフィルムをいじくっていて横の部分をクルクル回していたら中に入ってしまったかのどちらかだと思います。

最初はかなり焦ると思いますが実は簡単に解決出来るので、今日はその方法についてお話していきます。(諦めてフィルムを捨てるのだけは絶対におやめ下さい。)

中に入ってしまったフィルムを取り出す方法は全部で

1.写真屋さんに持っていく
2.フィルムピッカーを使う
3.別のフィルムや現像済みのネガを中に入れて取り出す
の3種類があります。


解決法1.写真屋さんに持っていく。

いわゆる「写真屋さん」に持っていけば速攻でフィルムを取り出してくれます。

僕も最初藁をもすがる思いで相談しにいったのですが、お店の人がわずか5秒で中に入ったフィルムを取り出してくれました。

これはフィルムを現像する過程で必ず行う作業ですので、フィルムの現像をやっている写真屋さんならどこでもやってくれます。(故にコンビニとかは無理です)

これが1番手っ取り早いと言えば手っ取り早いですね。


解決法2.フィルムピッカーを使う


さっきの写真屋さんがフィルムを取り出した方法と言うのは、要は↑のフィルムピッカーという道具を使って取り出したのですが、これは1000円くらいで買う事も出来ます。

このフィルムピッカーを使えば自分でも簡単に取り出す事が出来ます。


フィルムピッカーの使い方

念の為、フィルムピッカーの使い方を説明しておきます。



まず横から見た写真ですが、3枚の羽みたいなものが付いているのが解ると思います。(羽では無いのですが)



「A」とか「B」と書かれた部分を、



スライドさせれば羽が動きます。



最初は「A」と「B」を一番手前に引き、



羽を収納します。



この状態でフィルムの入り口に差し込みます。



こんな感じです。



そしたら↑のように持ち、



更に「A」に当たる部分を逆の手で持ち、



スライドさせます。



そしたら横の出ている部分を「カチッ!」と鳴るまで手前に回します。(音は意外に小さいです)



今度はフィルムッピカーの横を持ち、



「B」に当たる部分を同じ要領でスライドさせます。



後は、



ゆっくりと、



引っ張れば、



中に入ったフィルムを取り出す事が出来ます。

解決法3.別のフィルムや現像済みのネガを中に入れて取り出す

3つ目は出先でフィルムを取り付ける際に中に入り込んでしまった時や、わざわざフィルムピッカーを買うのがもったいないという方の為の方法です。

予備のフィルムがある場合や現像したネガをお持ちの方はこの方法を試してください。


予備のフィルムで取り出す方法


今回は↑のフィルム(ロモグラフィー EARL GRAY100)が中に入り込んでしまったという事にして、これを予備のフィルムを使って取り出してみましょう。





今回使う予備のフィルムは富士フィルムのC200を使用します。





まず、フィルムの裏側にあたる↑の部分(穴3つ分くらい)に水または唾を付けます。
要はベトッとさせた状態で中に入り込んだフィルムにピトッとくっつけて引っ張り出すという具合です。





湿らせたフィルムが乾かないうちに入り込んでしまったフィルムの中に入れ込んでいきます。





どれくらい入れれば良いのかと言うと、フィルム両側に空いた穴6個目まで入れれば取り出しやすいです。





両側に空いた穴6個目まで入れた上で、更に穴3つ分くらい出して↑のようにしてください。

向きはお互いの出っ張りの部分が逆になっていればOKです。

フィルムが中に入り込んでいるのが左側「ロモグラフィー EARL GRAY100」の方で、それを救出に向かっているのが富士フィルムC200の方という感じです。





フィルムが中に入り込んでしまったロモグラフィー EARL GRAY100を手前にし、出っ張りの部分を右にした状態で向こうから手前に回転させてください。

上手くいっていればC200のフィルムがロモグラフィー EARL GRAY100の中に入って行き、ピトッとくっついた状態になります。





さっきの3つの穴が動いて幅が狭くなったら、上手いこと入り込む事が出来た証拠です。
そこから3~4回くらい回し続けてください。





そしたらC200の方をゆっくりと引っ張っていきます。
引っ張ってる途中で急に重くなったような引っ掛かりがあれば、向こうのフィルムとこっちのフィルムが重なって出てきた証拠なので成功です。





こんな感じですね。





後はそのまま引っ張りだせば、





入り込んだフィルムの救出成功です。


現像済みのネガも同じ要領で大丈夫です。


現像済みのネガも予備フィルムの方法と同じ要領で取り出す事が出来ます。

その場合、中に入れるのは穴10個分で取り出しやすいです。





ネガの裏側、穴3つ分に水または唾を付けて湿らせます。





穴10個分まで中に入れ込み、同じ要領で向こうから手前に出っ張りの部分を回転させます。
この時ネガがフィルムの中に入って行けば、上手いこと入り込んだという証拠です。





後はゆっくり引っ張っていき、途中で急に重くなったような引っ掛かりがあれば同じように成功です。





こんな感じですね。





初めて取り出した時は結構感動します。


終わりに 巻き込む事自体は何の問題も無い

そもそもフィルムというのは、写真を全て撮り終えた時に本体に巻き込んで現像に出します。
ですので巻き込む事自体は何ら問題はありません。

ただフィルムピッカーみたいなそれ専用の道具が必要なのでちょっと厄介なだけです。(これを持っているのは自家現像をしている人くらいです)

ちなみに僕はフィルムッピカーを持っているのですが、フィルムの物撮りをする時に出ているフィルムを中に巻き込む事が出来るので、結構便利です。

こちらもどうぞ↓