色々なフィルムが販売中止になりながらも、一部ではまだまだ盛り上がりを見せているフィルム写真。
特に10代・20代のカメラファンの間で人気があるようで、非常に嬉しい限りです。

そんな皆様に聞きたい事があるのですが、フィルムを現像した時一緒に貰う茶色いやつはどうしていますか?


あれはまるで何かの記念品みたいに、酷い扱いを受ける運命にあるものなのですが、実はもの凄い役割を果たしてくれるものなんです。


言わば無限製造機


↑の記事にも書いた通りあの茶色いやつは撮った写真を映像化したもので、あれを元にプリントしたり、データ化にしてCDやスマホに転送するというもので、原板(げんぱん)に当たります。

つまりあれさえあれば何枚でも写真をプリントする事が出来ますし、いくらでもデータ化する事も出来ます。

写真が破れてしまっても、もう一度プリント出来ますし、スマホが壊れて写真が見れなくなったとしても何度でもデータ化する事ができます。

しかし非常に残念ながら、多くの方はあの茶色いやつを捨てているらしく、それは本当にもったいない話です。

とあるネットの現像屋さんではそれに関する事件も起きているらしく、現像を申し込んだ際にウソの住所を教えてデータだけメールで送ってもらい、後日封書で送られてくる支払い用紙とネガ(茶色いやつ)は届かずに戻ってくるというものです。

この話の問題点は2つで、1つは誰が見ても明らかですが完全な犯罪です。
そしてもう1つは「おいおい、ネガいらんのかね」という事です。

記録媒体としては最強

東日本大震災の時、津波で写真が流されてしまい、多くの人の思い出の結晶とも呼べるものが無くなってしまったという事が起きてしまったのですが、実はネガだけは無事だったという話を聞いた事があります。

紙の写真は絶対に無事ではないでしょうし、SDカードやスマホは例え1滴の水でも助かるかどうか解りません。
ネガは水に濡れても平気ですし、そもそも現像の過程で水に濡れるのがネガです。

「水に強い」というのは何気にウエイトが高く、ネガというのは記録媒体としては最強です。
「なら火ではどうか?」等色々な議論があると思いますが、それは紙の写真やスマホ・PCも同じ条件だと思います。

「記録」、更に言えば「残す」という観点から見れば、機械の故障や1滴の水でもデータが無くなってしまったり、機種を変更する際に事実上その写真とサヨナラするのがほとんどのスマホやPCよりも重要な役割があるのは間違いありません。

僕はこういう意味でもフィルムはずっと残って欲しいと願っております。(最悪、100と400のネガ1本づつだけでもいいから…)


10年後、気付いたら昔の写真が1枚も無い…。

これはデジタル時代の「負の要因」だと思うのですが、モノとして残りにくい性質がありますね。

・友達同士で撮った写真。
・家族で美味しいものを食べにいった時の写真
・子供の頃に遊んだ所

もしかしたら撮ったその時はあまり何も思わないかもしれませんが、時間が経った時、それはもの凄い宝物になっている事は間違いありません。(先日、1年前に撮った写真を見たのですが、既に懐かしさが漂っていました。。)

そんな大事な時間だからこそ、フィルムで残しておくのはどうでしょう。

書くいう僕も写ルンですで、子供の頃に遊んだ場所を撮り歩いています。
今はデータ化だけですが、そのうちプリントしてアルバムに収めようと思っています。
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