今回はFilm Never Dieという会社のフィルムを紹介するのですが、この名前を知らなくても、「歌舞伎のロゴのフィルム」と言えばピンと来る方が多いのではないでしょうか。

箱のデザインがもの凄いインパクトがあり、発売当初はかなり話題になったのを覚えています。

しかしアマゾンや大手のカメラ屋さんでは売ってなく入手するのがやや面倒くさいので、気にはなっているけど結局買わずじまいの方が多いのではないでしょうか。

今回は元々あった「IRO200」に加え、 最近発売した「IRO400」も入手しましたので両方共合わせてご紹介したいと思います。

色々疑問が残るフィルムだったというのが正直な所で、申し訳ありませんがその辺りも正直に書いていこうと思います。


価格は両方共1000円前後

IRO200 36枚撮り
IRO400 27枚撮り
両方共1000円前後
IRO200の方は発売当初は27枚撮りでしたが、いつのまにか36枚撮りに変更されていました。

どこのお店でも大幅な違いはないのでお求めやすいショップから購入すればOKで、IRO400は27枚撮りにしては少し高めですが一度拝んでおくのも一興かと思います。


枚数は規定よりも少なめ

それより気になるのは枚数の方で、本当に27枚撮りか?という疑問を感じるくらいフィルムが短く、実際はIRO200で25枚、IRO400で26枚しか撮る事が出来ませんでした。

IRO200(27枚撮り時代)



IRO400

普通のフィルムは装填して蓋をしてから2回空シャッターを切り、そしてその次からが1枚目になります。
27枚撮りのフィルムの場合、その数え方で27枚か+1枚多めに撮れるものですが、IROの場合1回目の空シャッター(半分感光写真になるやつ)から数えても25~26枚です。

その辺の事情はフィルムの装填方法や国によっても基準が違うのでしょう。


パトローネに必要事項が記載されていない

IRO200に関してはパトローネに現像する際に必要な情報が記載されていない為、お店によっては現像を断られる場合もあるそうです。

普通のフィルムは「C-41」等というのが記載されていて、現像液の種類だと思われます。



ですので現像の際は箱も一緒に持って行き、お店の人に見せた方が確実です。

僕も箱を持って現像に出しました。それでも窓口の人が奥に入っていき、現像する人に確認していました。

IRO400に関してはパトローネに必要事項が記載されています。


IRO200作例


以上、注意事項を踏まえた上で、作例を見て頂きましょう。



基本的に黄色っぽくなります。












今まで使ってきたフィルムで一番黄色っぽくなるフィルムです。


IRO400


続きましてIRO400ですが、作例に入る前にIRO400ならではのユニークな点があるので、 まずはそちらからご紹介していきます。


キーホルダーストラップとステッカーが付いている


IRO400を購入すると「Film Never Die」と書かれたステッカーとキーホルダーストラップが同封されています。

実はIRO400のパトローネ自体がキーホルダーに出来る仕様で、パトローネの出っ張りの部分に穴が開いているので、そこからストラップを通すという具合です。




シールをめくると、写ルンです


もうひとつはユニークというか残念なお知らせですが、この手のフィルムは既存のフィルムに上からシールを貼って別の商品として売り出すというパターンが非常に多く、過去にもかなり怪しいものもありました。


IRO400もやはり上からシールを貼っているタイプの様で、恐る恐るシールをめくってみると、無地で黒字のデザインが施されたフィルムが出てきました。

これはどうやら写ルンですの中に入っているフィルムのようです。
「写ルンです 分解」や「使い捨てカメラ 分解」等で検索してみてください。写ルンですを分解した記事があり、同じデザインのフィルムが出てきます。

だからと言って、写ルンですを使いまわしているとは限りません。

Film Never Dieはオーストラリアにある写真ラボなので、空のパトローネもたくさんあるでしょうし、それを再利用しているのかもしれません。

現像したネガには色んな情報が書かれていますので、こういう場合は現像したネガを見ると何か解るかもしれません。


写ルンです


IRO400

限りなく怪しい感じがしますが、それでもあの異様なフィルムの短さから察するに、やっぱり写ルンですの使いまわしでは無いと僕は思っています。


IRO400作例

それではIRO400の作例に参りましょう。





今までこのブログで載せてきたカラーネガの記事は全て同じレンズ・同じ写真屋さんで現像しています。
写ルンですかどうかは抜きにしても、これと言って何かがある訳ではないというのが正直な所です。






見れば見るほど写ルンですですね。。
撮ったのは写ルンですとは違ってガラスのレンズですし、露出もコントロールできるので特有のザラザラ感はあまりありませんが、雰囲気がそっくりです。











フィルムは終わらない

Film Nver DieのDieというのは、木が枯れていくようなニュアンスの死という意味で、Film Nver Dieを日本語に訳すとフィルムは終わらないと言った所でしょうか。

おそらく富士フィルムはフィルム事業から撤退したいのだと思います。
フィルム市場がどんどん枯れていく中で「フィルムは終わらない!」と謳ってくれている心意気は嬉しいのですが、ではもう一度このフィルムを買いたいか?というと、それは微妙です。

現在は本当の意味での新しいフィルムはもう作られていないらしく、ほとんどが既存のフィルムを使いまわしているのが現状で、フィルムカメラがブームとは言えやはり寂しさを感じられずにはいられなかった今回のレビューでした。
こちらもどうぞ↓