デジカメには「ホワイトバランス」という便利な機能があります。

ホワイトバランスというくらいですから、元々は白いものを白く写す為に色合いを調整する役割として備わっていました。

しかし近年は、そんな本来の目的よりも表現の幅を広める為に使うというのが主流になっている感じです。

「くもり」や「日陰」にして赤っぽい色合いにしたり「電球」にして青っぽい色合いにしたりと、ホワイトバランス1つで雰囲気をガラリと変える事が出来るので、結構ハマります。

当然、フィルムカメラにはホワイトバランスという機能がありません

一方、フィルムカメラには当然ですがホワイトバランスという機能がありません。

フィルム自体にそれが設定されていますので、イメージでいうなら固定のホワイトバランスが設定されているという感じです。

そしてそれはデジカメでいう所の「太陽光」に当たります。

箱に「デーライトタイプ」と表示されていて、それが太陽光を意味します。


太陽光はちょうど真ん中くらいの色温度

色には「色温度」というのがあり、「K=ケルビン」という単位で示します。

よく使われる範囲が2000K(ケルビン)~8000K(ケルビン)くらいで、ケルビンの数字が低ければ低いほど赤味が増し、ケルビンの数字が高ければ高いほど青みが増します。


ロウソクの炎は2000ケルビンくらいとされていて、



晴れの日陰は8000ケルビンくらいとされています。

そしてホワイトバランスの「太陽光」というのは5000ちょいケルビンくらいで、ちょうど真ん中あたりに位置します。


ですので、その場の色温度を如実に反映してくれます。



夕方頃に撮影すれば色温度が低いので赤っぽい写真になりますし、



日陰で撮影すると色温度が高いので青っぽい写真になります。

ちなみに「タングステンフィルム」というのもあり、これは低い色温度の場所で撮影する事を想定していて、デジカメのホワイトバランスで言う所の「電球」くらいに当たります。


↑このように、すごく青くなるやつですね。
しかし現在はタングステンフィルムはほとんど生産されておらず、9割以上がデイライト(太陽光)タイプのフィルムになります。


まとめ 色温度を読み、画(え)作りに反映させる

フィルムはホワイトバランスが固定なので、色合いをコントロールする事は出来ませんが、うまく色温度を読んで画作りに反映させる必要があります。(昔の人は特定の色味に寄せたい時は、カラーフィルターというレンズに色の付いたフィルターをかまして撮影していたそうです。)

そして「色温度」という概念が自分の中に加わるので、新しい武器を手に入れた事になります。
慣れてくると、カメラを持っていない時でも「おっ!良い色温度だな!」と感動できたりもします。
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