法律的にスナップ写真で人はどこまで写っても良いのか?を調べてみた


スナップで道行く人の顔がハッキリと写っている写真をよく見かけます。
そういう写真に限って結構な広角レンズで撮っているものが多く、その度胸たるや頭が下がる思いです。

しかしいつも思うのですが、あれは法律的にはどうなんでしょう?
写真集等でそういう写真を公表している方もいますし、写真家のドキュメンタリー番組等でも街行く人の写真を撮って堂々とテレビで放送しているくらいですから、問題は無いのかと思いますが…

ちょっと気になったので調べてみました。
という訳で今回はスナップ写真で人はどこまで写っても良いのか?という事についてお話したいと思います。


まずは絶対にダメなパターン

本題に入る前にまずは無条件でやってはいけないパターンをご紹介します。

・有名人や芸能人を写し、公表する事
有名人や芸能人はその人自体に財産的価値があるので無断で公表したりする事はパブリシティ権の侵害にあたります。

・女性のスカートの中やバストのアップ、男女問わず股間部分等わいせつ的なものを写す事
これは言わずもがなですね。

・人では無いが著作物を写し、公表する事
キャラクター物の等身大フィギュアやポスター等がそうですね。

女性のスカート等に関しては言うまでもありませんが、著作権とパブリシティ権に関しては気付かずにSNS等にアップしている人をたまに見かけます。


ここからが本題。要は「肖像権」とは何ぞやという話

それでは本題に入ります。
この手の話をする時に必ず出てくるのが「肖像権」というもので、要はこの肖像権とは何ぞや?という事です。

肖像権とはざっくり言うと「俺を、私を撮るな!」、もし撮られたとしても「その写真を公表するな!」と主張できる権利の事です。

ですので街を歩いていて今明らかに自分を撮ろうとしている場合、また撮られてしまったという場合、そしてそれが嫌だという場合は堂々と「撮るな!」「公表するな!」そして更に「消してくれ!」という事が出来ます。

逆に言うと撮られた写真が凄く良い感じだったりした場合は、そのままスルーでもOKです。
でも撮られるのが嫌な方というのは、写真の出来云々というよりも「勝手に撮る」という行為自体が嫌だと思うので、そこは申し訳ない所です。

ポイントは撮られる側が主張出来る権利だという事で、撮る側のペナルティーでは無いという事です。


どこまでOKなのか?

では今度は撮る側から見ていきましょう。
街で写真を撮っていて完全に人が写り込まさないというのは難しいですし、少しでも人の気配があるだけでも写真の雰囲気が全然違ったものになってきます。

正直言えば人が通りすがるのを待って写し込む事もあったりします。

問題なのはその写り込み度合いで、例えば遠くの方でチラッと写ってしまった等の場合は風景の一部としてみなされる事がほとんどだそうです。




更に後ろを向いていたりスローシャッターでブレていたり等、特定が難しい場合は特に問題が無いという場合がほとんどだそうです。

写っている人全員が後ろを向いている


シャッタースピードが60分の1の場合は自転車だとブレる


ここくらいまでならまぁ問題は無いと思われます。(デリケートな問題なので100%断定はしません)

しかし、これ以上になるとちょっとあやしくなってきます。

例えばカフェのテラスでお茶をしている人をピンポイントで撮ったり、歩いている人の表情をアップで撮る等、その人物が明らかに特定出来る写真の場合とかは肖像権の侵害の可能性が出てきます。

そういう場合は先程述べたように撮られた方が主張できますから、それに従うしかありません。


犯罪では無い

しかしSNS等を見ているとそういう写真が毎日のように流れています。

そうなんです。
それらの行為は決して犯罪では無いという事なんです。

そもそも肖像権というのはそれを規定する法律がないので、例え侵害されたとしても罰せられる事がありません。
犯罪というのは刑罰が科せられて初めて犯罪になりうるので、肖像権の侵害というのは犯罪行為では無いという事になります。

まとめ

それでは最後にポイントをおさらいしましょう。

・肖像権とは「俺を、私を撮るな!」撮られたとしても「公表するな!」と主張出来る権利の事である。

・よって、もし撮られそうになったり撮られたとしても「撮るな!」「公表するな!」「消してくれ!」 と言う事が出来る。

・街の景観等を撮っていて、遠くの方でチラッと写ってしまった場合等は風景の一部としてみなされる事が多い。(肖像権の侵害とは言い難い)

・更に人が後ろに向いていたりスローシャッターでブレていたり等、特定が難しい場合も問題は無いという事が多い。(肖像権の侵害とは言い難い)

・ピンポイントでその人を撮ったり、明らかに人物が特定される場合は肖像権侵害の可能性がある。

・しかし肖像権侵害は犯罪行為ではない。

僕が撮りたい写真は街の景観なので、街が主で人はあくまでも副題という関係です。
ですのでそこまで苦労はありませんが、 いわゆるストリートスナップを撮られている方はトラブルになる事も多いようです。

しかしとある写真家の方は作品を公表して、「もし写っている人に訴えられたとしてもそれは覚悟している」という事をおっしゃられていました。

重ねて頭が下がる思いです。
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