
フィルムカメラを始めて色々な情報を耳にすると思うのですが、このような事を聞いた事はありませんか。
ネガフィルムはラチチュードが広いから、露出は適当でもちゃんと写るよ。
ラチチュードとは「寛容」というのが元々の意味で、「狭い・広い」で表します。
何が狭い・広いのかと言うと、光を受ける許容範囲の事でこれが広いと写真が真っ黒や真っ白になりにくく、多少露出をミスったとしてもちゃんと写ってくれます。
ネガフィルムはこのラチチュードがもの凄く広く、逆にリバーサルフィルムやデジカメは凄く狭いです。
更にフィルムの感度が高いほどラチチュードが広い傾向にあるようで、写ルンですが極端に暗い状況以外ならある程度写ってくれるのはこのラチチュードの広さが大いに関係しています。
参考1:
参考2:
ネガとデジカメを撮り比べてみました
実は以前、フィルムで写真を撮りに行った際に露出をミスった事がありました。僕はISO400のフィルムを使う時は125sec/F11をデフォルトの状態にしておくのですが、商店街を撮る時に絞りを開けずにそのまま撮ってしまい、幸いミスった事に気づいたのですぐさま絞りを開けて撮り直しました。
「あ~あぁ、ミスった写真は多分真っ黒やろうなぁ」と思っていたのですが、上がってきた写真を見ると見事にちゃんと写っていました。

125sec/F11/ISO400
125sec/F11/ISO400というのは晴れの日の屋外でちょうど良いくらいの露出で、写ルンですと同じです。 (写ルンですは140sec/F10/ISO400です。)
この露出で商店街を撮ろうものなら、狭いラチチュードだとかなり暗い写真になってしまいます。
そしてミスった事に気づき、取り直したのが↓の写真です。

125sec/F4/ISO400
これが適正露出かどうかは解りませんが、明るさ的には十分ですね。
デジカメでも同じ露出で撮ってみました
この記事を書くにあたってデジカメでも検証してみようという事で、↑のフィルムと同じ露出で撮り比べてみました。それが↓の写真です。

125sec/F4/ISO400
まずはF4の明るい方です。ちゃんと写っていますね。
次にF11の暗い方がこちらです↓

125sec/F11/ISO400
ひと目で暗いと解りますね。
屋根の下とは言え屋外なので光が入ってきてる分まだマシな方で、試しに光が少ない商店街も撮ってみました。

125sec/F4/ISO400
商店街の中がちゃんと写っています。
そしてF11で撮ったのがこちらです↓

125sec/F11/ISO400
これはもうお手上げですね。
黒つぶれで人がいなくなっています。
まとめ おそるべしネガフィルム
フィルムで撮る時はネガが圧倒的に多いので、どれだけ助けられているかがよく解ります。なまじ慣れてくると勘で撮ったり、カメラを持っていない時も「ここの露出はこれくらいかな?」と当てようとしたくなりますが絶対露出感を身に付けるのはなかなか難しいですね。(リバーサルを勘で撮っている方もいます。。)
面倒くさいですが露出計を使って、意図が無い限りは適正露出で撮った方がやっぱり綺麗に写ります。