F値の決め方は、この基本を押さえておけば大丈夫です。


SNSやブログ等で、撮影データを公開してくれている作品を見かけます。
例えばこんな感じです↓

Canon EOS6D/EF24-105 F4L ISⅡUSM/100sec/F6.3/ISO200
恐らく見たことがあると思います。
そしてこんな感想を抱いた事は無いでしょうか。

何だよ!この「F6.3」という中途半端な数字は!!と。

オートで勝手に6.3になったのではなく撮影者が意図的に6.3を選んだとすれば、それはどういう根拠なのでしょう?

今回はF値ってどうやって決めてるの?という事についてお話していきます。


前提条件として

まず、以下の事が決まっているというのを前提として下さい。

この位置からこのアングル、このレンズで撮るという事が決まっていて、後はシャッターを押すだけという状態である。(ズームレンズの場合はズーミングも決まっている)
理由は追々説明していきます。


まずはこれを覚えてください。


まずはこれを覚えて欲しいのですが、ピントというのは一番クッキリしたピントの山を中心に、そこから前後一定の距離がピントの合う範囲になります(いわゆる被写界深度)
その範囲から外れた所はボケた感じになります。

このピントの合う範囲をコントロールする要素が「レンズと被写体の距離」「レンズの焦点距離」そして「F値」になります。

被写体までの距離と焦点距離に関しては、「これをこういう風に撮りたい」という画(え)が先にあり、それに合わせて決めるのが普通です。
ですのでF値でピントを調節していく事になります。

結論から言うと、合わせたいピントの範囲に調節したF値が、今回のテーマであるF値の決め方の基本になります。

手順としてまずは手前から奥までバッチリとピントを合わせ、そこからピントを合わせたくない所を範囲から外すようにF値で調節していくという具合です。

これだけでは不十分なので、もう少し詳しく説明していきます。
まずは手前から奥までバッチリとピントを合わせてみましょう。


レンズに付いている距離目盛りを使う場合

フィルム時代のいわゆるオールドレンズと呼ばれているものや、デジカメ以降に発売された一部のレンズにはピントが合っている範囲を教えてくれる「距離目盛」が記載されています。



また、デジカメの場合でも液晶モニターに距離目盛を表示出来るものもあります↓(ほとんどあると思います)


まずはこれらを使って、手前から奥までバッチリとピントを合わせていきます。


距離目盛の見方


まず↑の写真の白で網掛けしている部分ですが、現在ピントが合っている距離を表示してくれています。
上の緑が「フィート」で下の白が「メートル」になります。(以降はメートルを使って説明していきます)



例えば↑の場合だと現在2メートルの所にピントが合っているという事になります。



そしてF値が8なので、



現在はこの範囲にピントが合っているという事になります。(大体1.6m~2.7mくらいですね)


デジカメの場合も理屈は同じで、同じ条件で2m・F8に合わせると、↑のように液晶に表示されます。


手前から奥までバッチリとピントを合わせる方法

それを踏まえて、手前から奥までバッチリとピントを合わせてみましょう。
まずファインダーを覗いて、一番手前にある何かにピントを合わせて下さい。



ここではそれが3mだったとしましょう。
次に一番奥にある何かにピントを合わせて下さい。



ここではそれが10mだったとしましょう。
という事はこの写真の場合は3m~10mの間にピントが合っていれば全てにピントが合う写真になるという事になります。



従って、ここではF11がそれに当たります。(F11の目盛には「11」と表示されていませんが、単にスペースの都合です)


正しいF値の決め方

手前から奥までの距離とバッチリとピントを合わせるに必要なF値が解ったので、撮りたい写真のF値を決めていきましょう。

後は単純な話で主役の手前にあるものを前ボケさせたいのなら、その部分をピントから外せば良いという事になり、背景をボカしたいのなら、その部分をピントから外せば良いという事になります。


前ボケ


例えば前ボケさせたい場合だと、F値はそのままでピントを合わせる位置を奥にずらしても構いません。
しかしこれだと、この場合の一番奥である10m以上の所にもピントが合っているのであまり意味がありません。



こういう場合はF値を小さくすればOKです。



ピントの範囲から離れれば離れる程、ボケが増します。


背景ボケ


背景をボカしたい場合も同じで、F値はそのままでピントを合わせる位置をずらすだけでも構いませんが、これだと3m未満の部分もピントが合っているのであまり意味がありません。



同じくF値を小さくすればOKですし、



ピントの範囲から離れれば離れる程、ボケが増します。


距離目盛を使わない場合

最近のデジカメのレンズには距離目盛が付いていないものが多いですし、APS-Cサイズのカメラでオールドレンズを使う場合は画角が変わるので距離目盛が使えません。

また、液晶に表示される距離目盛を見るのが煩わしい場合もあるでしょう。

距離目盛を使わずに手前から奥までバッチリとピントを合わせる場合は、真ん中当たりにピントを合わせ、F値を調節しながら何度もテストしていきます。


ピントの中心から前後一定の距離がピントの合う範囲(被写界深度)になるからです。

撮った写真を確認する場合は必ず拡大して、手前のものと奥のものにピントが合っているかを確かめましょう。(小さな液晶画面では、ピントが合っているか解りにくい事もあるので)

後はそれを基に、ピントの範囲に入れたくない所はピントを外すようにF値やピントを合わせる所を調整していきます。


あくまでも基本

今回はあくまでも基本的な考え方という事でお話をしてきました。
もちろん例外もあり、例えばF値を大きくしすぎるとレンズの設計上画質が悪くなるのでF8から上は使わないとか、F4でいける所をあえてF5.6にしたり等、人によっては色んなやり方があります。

しかし今回の基本だけ押さえておけばまずは大丈夫です。


まとめ F値の決め方は結局「どう撮りたいのか?」による

F値の決め方というのは絶対的な正解は無く「どう撮りたいのか?」によって変わってきます。

という事は前提として「これを表現したいから奥をボカす」とか「こういう理由で手前をボカす」等、どういう効果があるのか?という引き出しをたくさんもっておく必要があります。

露出という意味でもそうですが、F値というのは「表現」の分野に大きく関係してきます。

そしてもちろん「どう撮りたいのか?」の前に、「何を撮りたいのか?」という質問に対して明確な答えが無いと何も始まらないという事も付け加えておきます。
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